イエイリはここに注目した! ~姿勢が変わる作業員で施工の安全性をチェック~

 このCADには、施工現場で使う作業員や重機、足場などの部品を搭載しています。

 「ダイナミックブロック」というAutoCADの機能を使って作っているため、作業員の部品は、
 
関節部分で姿勢を変える
 
ことができます。日ごろ、設計実務に携わっている設計者だからこそ、考えついたきめ細かい機能と言えるでしょう。

施工シミュレーション機能(資料:アド設計)

 そのため、作業員が正しい位置で溶接作業できるかや、手すりのある状態で足場を組み立てられるかなど、施工上の安全性をシミュレーションできます。つまり、「安全を図面上で作り上げる」ことができるのです。このほか、重機や足場材の部品も同様に動かしたり、一定のスパンごとに伸縮できたりするそうです。

 ちなみに、addCadのお値段は29万8000円です。このソフトだけで動作し、AutoCAD 2010と同じ形式のファイルを読み書きできます。建築専用の3次元CAD、AutoCAD Architectureは60万円以上しますので、2次元機能しか使わない人にとってはお得でしょう。

家入龍太(いえいり・りょうた)
1985年、京都大学大学院を修了し日本鋼管(現・JFE)入社。1989年、日経BP社に入社。日経コンストラクション副編集長やケンプラッツ初代編集長などを務め、2006年、ケンプラッツ上にブログサイト「イエイリ建設ITラボ」を開設。2010年、フリーランスの建設ITジャーナリストに。IT活用による建設産業の成長戦略を追求している。
家入龍太の公式ブログは、http://www.ieiri-labo.jp/。ツイッターは、http://twitter.com/ieiri_lab