今回の建設IT注目情報 ~アメリカ建築家協会「AIA Convention 2010」~

 6月10日から12日まで、米国・マイアミで開催された「AIA Convention 2010」(主催:アメリカ建築家協会)では、展示会も併催されました。

 有力企業のブースに混じって、ユニークな製品を展示しているベンチャー企業もたくさんありました。その一部をお伝えしましょう。

AIA Convention 2010の展示会場(写真:家入龍太)

 まずはゼブラ・イメージング社(ZEBRA IMAGING)のブースです。何やら、街並みや建物が立体的に見えるテーブルのようなものがありました。見た目は結構な厚さがあるようだったのですが、ブースの担当者がおもむろに持ち上げてみると、

ナ、ナ、ナ、ナ、ナント、
 
ペラペラのシート
 
だったのです。

 同社ではBIMソフトで作成したモデルデータから、ホログラムシートを作るサービスを行っています。ちなみにお値段は1枚3000ドル(約30万円)とのこと。担当者は「模型を作るより、ずっと安いですよ」と説明していました。“勝負プレゼン”のときに使うと良さそうですね。

ゼブラ・イメージング社のブースで見つけたホログラムシート(写真:家入龍太)

 次に発見したのは、タッチパネル式のテーブル型モニターです。水槽を上からのぞいたようなもので、“水中”には魚が泳いでいました。モニターの表面を指でつつくと、さざ波が発生して臨場感満点。どんな用途に使うのかは聞き忘れてしまいました。

指でつつくとさざ波が発生するテーブル型モニター(写真:家入龍太)

 3次元CADやBIMソフトで作成した構造物や地形のモデルデータから、立体模型を作る3Dプリンターにもニューフェースが登場していました。2ボット社(2BOT Corporation)の「2Bot ModelMaker」というものです。ウレタン状の材料をモデルデータに従って切削するもので、お値段は1万2000ドル(約120万円)とのこと。建設分野向けに開発した製品だそうです。

地形模型を作成中の2Bot ModelMaker(左)と都市模型の例(写真:家入龍太)

 最後にご紹介するのは、ワールド・ビズ社(WORLDVIZ)の建設業界向けバーチャルリアリティー(VR)システムです。頭にヘッドマウント・ディスプレーを装着し、BIMソフトなどで作った建物モデルの内部を見ると、自分がまるで建物の中に入ったかのように見えます。

ワールド・ビズ社の建設業界向けバーチャルリアリティーシステム(写真:家入龍太)

 私もブースのスタッフに頼んで体験させてもらいました。頭の向きを変えたり、歩いたりすると、それに応じて周りの景色も変わりますので、臨場感満点。そこで、私はある実験を試みたのです。