イエイリはここに注目した! ~iPhoneを利用した「拡張現実」システム~

 高機能携帯電話「iPhone」のユーザーの間で、「セカイカメラ」というソフトが人気を集めています。このソフトを起動させて、街なかで写真を撮るような感じでモニターをのぞくと、その場所や建物に関連する写真や文字などの情報が見られるシステムです。

 オートデスクでは、製品化まではしていませんが、これによく似たシステムを開発しており、

ナ、ナ、ナ、ナント、
 
道路の下の埋設管
 
が街並みの画像に重なって見られるものなのです。

拡張現実技術によって、実際の風景と埋設管の仮想イメージをiPhoneの画面上に重ねて表示するシステム(上)とSketchBook Mobileによるイラスト作成風景(下)(資料:オートデスク)

 これは、「拡張現実」(Augmented Reality)という技術を応用したシステムです。BIMで設計した建物などを維持管理するとき、このようなシステムがあれば壁や天井の裏にある配管や電線などが一目瞭然で、便利そうですね。

 同時に、iPhoneでイラストやスケッチを作成する「SketchBook Mobile」というソフトのデモもありました。こちらはApp Storeで、1本350円で購入できます。

 パソコンを持って出かけると、カフェや電車の中で意外に文書作成などの仕事がはかどることがあります。グラフィカルな作業を行うときも、屋外だといろいろな刺激を受けて、職場の大きなモニターの前とは違った発想が浮かんできて、新鮮かもしれませんね。

家入龍太(いえいり・りょうた)
1985年、京都大学大学院を修了し日本鋼管(現・JFE)入社。1989年、日経BP社に入社。日経コンストラクション副編集長やケンプラッツ初代編集長などを務め、2006年、ケンプラッツ上にブログサイト「イエイリ建設ITラボ」を開設。2010年、フリーランスの建設ITジャーナリストに。IT活用による建設産業の成長戦略を追求している。
家入龍太の公式ブログは、http://www.ieiri-labo.jp/。ツイッターは、http://twitter.com/ieiri_lab