今回の建設IT注目情報 ~オートデスク「BIMソリューション記者説明会」~

 5月18日、東京・晴海でオートデスクが「建築業界向けBIMソリューション新製品記者発表会」を開催しました。

 同社のBIM製品である「Revit Architecture」や「Revit Structure」の新バージョンが5月24日から順次、出荷開始となるのに先だって、新製品の特徴やBIMの市場動向などを、報道関係者向けに説明したものです。

 最新版の「Revit Architecture 2011」では内部のデータベース構造の書き換えなど、地道な改良を行った結果、ソフトの起動やファイルの読み込み時間が半分ほどになりました。コンピューター・グラフィックスを作成する「レンダリング機能」は、これまでCPU(中央演算処理装置)コア数に制限があったのを撤廃しました。

 また、様々な解析結果を外部のソフトから読み込み、
 
Revitの画面上に表示
 
するといった、連携機能も強化しました。

 同社AECソリューション本部長の岡崎健二さんは「今後もRevitには、当社の環境解析ソフト『Ecotect Analysis』や構造解析ソフト『Robot』の機能を順次、搭載していく予定です」と語りました。

 米国では2007年から2009年にかけて、建設会社のBIM導入率が5%から45%に、建物オーナーの導入率が8%から21%へと、急激に伸びているそうです。

 日本も、建設会社自らが施工段階でのBIM活用を始めるケースが増えているとのこと。そのため、オートデスクでは、設備設計を担う「Revit MEP」の改良に力を入れる予定です。

ほかの解析ソフトで計算した結果を取り込んで表示できる機能が付いたRevit Architecture 2011(資料:オートデスク)

建築業界向けにオートデスクが開催したBIMソリューション新製品記者発表会(左)と同社AECソリューション本部長の岡崎健二さん(写真:家入龍太)

 ここ数年、BIMに関してはパソコンがますます強力になり、モニターのサイズも大きくなる一方でしたが、今回の説明会では、逆に小さな画面でのBIM活用技術が報告されました。