イエイリはここに注目した! ~解体後、鉄骨継ぎ手をほかのビルで再利用~

 今年10月末に上海万博が閉幕すると、フィンランド館は解体される予定です。そのとき、単なるスクラップとして売却されるのではなく、ほかの建物の一部として、
 
鉄骨継ぎ手を再利用
 
できる設計になっているのです。

フィンランド館の鉄骨継ぎ手構造(資料:テクラ)

 「構造部材のリサイクル」という発想は、新鮮ですね。

 この話を聞いて頭に浮かんだのは、展示会場のブース作成などに使う「システムパネル」です。継ぎ手構造や部材の寸法が見事に規格化されており、様々な形を作れるようになっています。

 建物の構造部材も同様の発想で、鋼材の種類別に継ぎ手の形やボルト穴の位置やなどを標準化しておくとよいのではないでしょうか。そうすれば、解体した建物の“中古部品”を再利用しやすくなり、地球温暖化防止にも貢献できそうですね。

家入龍太(いえいり・りょうた)
1985年、京都大学大学院を修了し日本鋼管(現・JFE)入社。1989年、日経BP社に入社。日経コンストラクション副編集長やケンプラッツ初代編集長などを務め、2006年、ケンプラッツ上にブログサイト「イエイリ建設ITラボ」を開設。2010年、フリーランスの建設ITジャーナリストに。IT活用による建設産業の成長戦略を追求している。
家入龍太の公式ブログは、http://www.ieiri-labo.jp/。ツイッターは、http://twitter.com/ieiri_lab