今回の建設IT注目情報 ~ベントレー・システムズ「MicroStation V8i」~

 建築、土木分野向け3次元CADの老舗、ベントレー・システムズは4月13日、主力CADの最新版「MicroStation V8i(SELECT series1版)」の記者説明会を開催しました。

 同社の荒井孝行社長が「すばらしい仕上がり」と自賛する新バージョンには、高品質のコンピューターグラフィックス(CG)を作成できる本格的なレンダリングエンジンや、3次元モデルと図面を同期させるダイナミックビューなど、様々な新機能が搭載されています。

 中でも、目玉となるのが他ソフトとの相互運用性を向上させたことです。

ナ、ナ、ナ、ナ、ナント、

 
AutoCADの“純正図面”

 

データを読み書きできる機能を搭載したのです。

 建設業界で普及しているオートデスクのAutoCADは、ファイル形式に「DWG」形式を使っています。この形式に対応しているCADはいろいろありますが、完全に細部まで互換がとれているかどうかの保証はありません。

 一方、MicroStation V8iにはオートデスクの「RealDWG」ライブラリを搭載したため、AutoCADと完全に互換性のある「TrustedDWG」というファイルを書き出すことができます。

 そのため、一つのフォルダにDWG形式とDGN形式というライバルCADの図面ファイルが混在していても、違和感なく使えます。

 ベントレー・システムズとオートデスクは2008年、相互運用を実現するために提携し、その成果がMicroStationの新バージョンに反映されたというわけですね。一方、AutoCADもMicroStationの「DGN」形式を読み書きする機能を搭載しています。

MicroStation V8iのダイナミックビュー機能。3次元モデルと図面が同期する(資料:ベントレー・システムズ)

ライバルのオートデスクと提携し、“純正DWGファイル”を読み書きできるようになった(資料:ベントレー・システムズ)

MicroStation V8iを発表するベントレー・システムズの荒井社長(写真:家入龍太)

 このほかにもMicroStation V8iでは、AutoCADとそっくりの新機能を用意しており、近く発売する予定です。