今回の建設IT注目情報 ~トプコン「3DレーザースキャナーGLS-1500」~

 土木構造物や建築物、地形などの複雑な形状を高精度で測定する3Dレーザースキャナーは以前、海外製品ばかりで国産品は存在しませんでした。

 国産初の3Dレーザースキャナーは、トプコンの「GLS-1000」という製品で、2008年8月に発売されました。この製品は、毎秒3000点の点群の位置を計測できるものでした。

 そのトプコンが今年4月に発売する新製品「GLS-1500」では、性能が大幅に向上しました。

ナ、ナ、ナ、ナ、ナント、
 
1秒間に3万点
 
と、従来機の10倍のスピードで計測できるようになったのです。

 スキャナーが計測のために照射するパルスレーザー光の発行回数が10倍に増えたにもかかわらず、消費電力は従来と同様とのこと。

 さらに200万画素のデジタルカメラも内蔵し、パルスレーザー光で計測した3D点群データと連動させることで、点群に色も付けられます。まるで立体写真のように、測定したデータを見られるわけですね。

トプコンが4月に発売する3Dレーザースキャナー「GLS-1500」(左)と橋梁の計測データ(写真と資料:トプコン)

 3Dスキャナーの点群データを利用するCAD側も、機能強化を図っています。3Dスキャナーが計測した点群データは、容量が大きいため、構造物の規模が大きい場合、設計者が使う3次元CADに直接読み込んで使えないことがありました。

 その場合は、点群データを専用のソフトで“3次元トレース”してCADデータに変換してから、設計用のCADに読み込まなくてはなりませんでした。この問題を解決するCADの新製品が登場したのです。