2010/03/03
安井建築設計事務所は2009年10月、BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)によって様々な情報を統合し、建物の設計や施工を進めていくための「IPD推進室」を設置しました。社内には企画や意匠、コストなど5つのワーキンググループを設置し、BIMの効果的な活用方法を探っています。これらの活動が目指すものは、「顧客志向のサービス」の実現なのです。
IPDとは、「インテグレーテッド・プロジェクト・デリバリー(Integrated Project Delivery)」の頭文字をとったものです。建築にかかわる施主や意匠設計者、構造設計者、設備設計者、そして施工者などが一体となって合理的な設計、施工を実現する建設プロセスを意味します。IPD推進室の室長は常務取締役の設楽貞樹さんが務めています。
このような組織が生まれた背景には、大手設計事務所の業務が高度に専門化してきたことがあります。専門化が進むほど、部門間のコミュニケーションが希薄になる傾向も表れます。一つのプロジェクトに対し、社内の技術やノウハウなどを結集して、よりよいサービスを提供することが難しくなってきたのです。
「IPDを実現するためのツールが、BIMだと考えています」と同社取締役社長の佐野吉彦さんは説明します。「BIMを使って、企画や意匠、構造、コスト、そして環境などの部門間のコミュニケーションを密に行えるようにしたい」(佐野さん)という思いを、IPD推進室の設置に込めているのです。
IPD推進室では、BIMの活用でコミュニケーションを改善し、それぞれの顧客に対して的確なコンサルティングを行い、要求に対する答えを導き出せる組織づくりを目指しています。顧客に対して最高のサービスを提供し、顧客志向の建築を実現することが究極の目標なのです。そのために必要な活動を模索し、自らが社内の旗振り役として改革を進めることがミッションです。
「メンバーは、社内の9部署からの代表からなり、月に1〜2回、集まってIPDを実現する方向性や具体的な方法などについて準備的な検討を重ねています。来年度(2010年4月)から、本格的に活動がスタートします」と同社取締役副社長で東京事務所所長の大村鐵太郎さんは説明します。
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