今回の建設IT注目情報 ~大和ハウス工業「スマートハウス」~

 アップルの「iPhone」は、携帯電話としての機能のほか、ウェブサイトの閲覧やメールの送受信などに使えるインターネット端末、そして「iPhoneアプリ」という様々なソフトウエアを動かせるマシンと、パソコンのように幅広く使えるのが特徴です。

 大和ハウス工業では、2月19日に奈良県奈良市にある同社の総合技術研究所で家電製品や住宅設備を制御し、省エネルギー生活を実現する「スマートハウス」の実証実験を開始しました。この実験では、
ナ、ナ、ナ、ナ、ナント、
 
iPhoneをリモコン
 
として、家電や住設のコントロールを行っているのです。

 実験に使う家には、家電や住設とネットワークで接続した「ホームサーバー」や、「住宅API」というコンピューター制御の規格に対応したエアコンや照明機器、給湯器などを設置しています。

 iPhoneには、これらをコントロールするリモコンソフトがインストールしてあり、画面上で機器のスイッチを操作したり、消費電力や運転状況などの情報を見たりできるようになっています。

 外出先からはiPhoneのインターネット接続機能を使って、同様の操作や確認を行えます。帰宅前にエアコンをつけたり、お風呂を沸かしたり、ということもできます。

 玄関先には「デジタルフォトフレーム」が設置してあり、このボタンを操作しても、家中の消灯や施錠ができます。

 このほか、同社とTOTOが開発した「インテリジェントトイレII」で測定した健康データをホームサーバーが自動収集したデータや、エコアイデアやお得な電力料金メニューなどの情報を、iPhoneやデジタルフォトフレーム、テレビに配信することができます。

 健康や省エネに配慮した生活を実践するための“気付き”情報を生活者に配信することで、マインド面の喚起も行おうというわけですね。

スマートハウスの実証実験の内容(資料:大和ハウス工業)
iPhoneの使用例。(上段左)エアコンの遠隔操作。(上段右)スイッチの一覧。(下段左)瞬時電力の測定。(下段右)玄関先に置いたデジタルフォトフレームへの情報配信(写真:大和ハウス工業)

 これまでも、携帯電話や家庭内LANを使って家電や住設を制御するシステムはありましたが、特定のメーカー専用のシステムだったため、互換性が制限されていました。今回、開発した「住宅API」は異なるメーカーの製品を共通してコントロールできるよう考慮しました。

 そして、スマートハウスは、さらに大きなシステムとも連係することを想定しているのです。