今回の建設IT注目情報 ~JSBCとオートデスク「Revit + CASBEE Connecter」~
建物の環境性能を評価する指標として、「CASBEE(建築物総合環境性能評価システム)」の活用が進みつつあります。CASBEEは日本サステナブル・ビルディング・コンソーシアム(JSBC)が開発しているシステムで、室内の環境品質を向上させる度合いを表す「Q」を、建物が外部に与える環境負荷の度合い「L」をそれぞれ 100 点満点で評価し、QをLで割ったQ/Lの値によって5段階評価するものです。
この評価を行ううえで大変なのは、空調エネルギーの計算に必要な「PAL値(Perimeter Annual Load:年間熱負荷計算)」などの算出です。太陽高度や開口部の大きさ、建物の向きなどを3次元的に考慮して計算しなければならないからです。
そこで、2月18日、JSBCとオートデスクはこうした評価作業の労力を減らすため、CASBEEとオートデスクのBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)対応3次元CAD「Revit Architecture」を連結することで提携したと発表しました。
7月にはBIMによるCASBEEの評価を可能にする連結ソフト「Revit + CASBEE Connecter」をオートデスクが発売する予定です。このソフトを使うと、
ナ、ナ、ナ、ナ、ナント、
評価労力が半減
するとのことです。
オートデスクによると、CASBEEの評価項目は92ありますが、このうち、特に評価が大変な3項目をBIMで処理できるようになるだけで、全体の労力は約50%減るのだそうです。
こうなると、CASBEE評価も楽に申請できるようになりますね。また、将来的には、この連携ソフトを利用したCASBEE評価の申請も視野に入れて検討しているそうです。
BIMはこれまで、先進的な建築設計者のツールというイメージがありました。今回、建物の環境問題を解決する手段としてBIMがクローズアップされたことで、一般の人にも関心を持たれるようになるかもしれません。