2010/02/10
新菱冷熱工業では、各事業部や支社から選ばれたメンバーからなる3次元CADの利用推進プロジェクトを立ち上げて、全社に3次元CADを普及させる活動に取り組んでいます。新入社員教育や昇級試験でも3次元CADが必須となりました。2009年9月にBIM用データ交換規格の開発団体であるIAI日本が開催した仮想設計コンペでは、約90人という大規模な社内コラボレーションを実現し、組織力を実証したのです。
大手設備会社の新菱冷熱工業が3次元CADの研究を開始したのは30年前でした。以来、設備施工の生産性向上を目指して取り組みを続けています。現在では市販のビルディング・インフォメーション・モデリング(BIM)対応の3次元CADをベースに「S-CAD」というソフトを独自に開発し、全社で使っています。
2005年10月、同社の第10次5カ年計画の一環として、各事業部や支社、関連会社から選ばれたメンバーによる「S-CAD利用推進プロジェクト」を結成しました。現在、22人のメンバーが2カ月に1回のペースでテレビ会議を開き、全社で活用状況を多角的に分析するとともに、技術社員の操作習熟を後押ししています。
「メンバーはラインを通じて任命されます。BIMの組織的活用を図るため、進言することもあります」と、S-CAD推進プロジェクトのリーダーを務める工事事業部次長の佐々木啓裕さんは説明します。
例えば設計担当者が3次元CADを習得しようとしても、日々の実務に追われていると、つい、慣れ親しんだ従来の2次元CADばかり使ってしまいがちです。そんなときには、ほかの業務の負荷を調整するなどスムーズにBIMをマスターできるように、設計担当者の所属部署が配慮しています。
また、同プロジェクトでは「S-CADユーザー交流会」というイベントをこれまで3回、行いました。「ソフトベンダーや関係会社も含め、毎回100人くらいが集まって、ソフトの便利な機能や現場での活用事例などを半日のプログラムで紹介しています。前回は現場代理人のプレゼンテーションを3〜4件、行いました。次回は営業と設計の交流をテーマにする予定です」(佐々木さん)。
同プロジェクトでは、施工図用CADソフトを検証する分科会や、技術計算を研究する分科会も設け、専門家による検討を行っています。
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