今回の建設IT注目情報 ~建設ICT導入研究会「建設ICTざっくりシリーズ」~

 国土交通省中部地方整備局の建設ICT導入研究会は、中小の建設会社が情報化施工を導入しやすくするため、積極的に活動しています。

 毎月のように現場見学会を開催し、3次元の設計データによる重機の自動制御や、トータルステーションによる出来形管理など、様々な建設ICT(情報通信技術)を参加者自身が体験できるようにしています。

 また、同研究会ではインターネット上に「建設ICT総合サイト」を開設し、情報化施工に関する最新の技術やノウハウ、見学会の報告記事などを掲載しています。

 このほど、同サイトでは、情報化施工に使う技術や機器、情報インフラなどの知識を短時間に理解できる小冊子の無料ダウンロードを始めました。

 その名は、ナ、ナ、ナ、ナ、ナント、、
 
建設ICTざっくりシリーズ
 
という、市販のパソコン入門書のように親しみやすいものなのです。

 内容は建設ICTとCALS/ECの関係や情報化施工の概要、3次元設計で使われるデータ形式、トータルステーションやGNSS(全地球航法衛星システム)を使った測量や出来形管理など盛りだくさんのことが、その名の通り“ざっくり”分かるようになっています。

 「GNSS測量の種類」という項目では、「スタティック測位」、「キネマティック測位」、「RTK-GNSS」などを比較しながら分かりやすく解説してあります。初心者はもちろん、ある程度、情報化施工についての知識がある人にとっても役に立つ内容となっています。

 冊子は合計34ページで、「A4印刷版」と「製本印刷用」がダウンロードできるようになっています。

 特筆すべきは製本印刷用で、紙に両面印刷して折り重ねるとコンパクトなA5判の冊子になるように工夫しています。各ページがちょうどいい位置にくるように「面付け」によるレイアウトまでしてあるのにはビックリ。製本の仕方を解説したページまで用意してあるほど親切なのです。

建設ICT総合サイト(左)。「建設ICTざっくりシリーズ」(右)の無料ダウンロードが始まった(資料:建設ICT導入研究会)

「建設ICTざっくりシリーズ」の一部(資料:建設ICT導入研究会)

製本方法の解説ページもある(資料:建設ICT導入研究会)

堅いイメージのある役所の出版物とは思えないほど、親しみやすく、理解しやすい秘密は、イラストの使い方にあるようでした。