(1)「BIM世界一」になった日本ドリームチーム

2010/01/19

BIM
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産官学における3次元技術の最新活用動向を幅広く紹介する「建設3次元まつり」。2010年のテーマは「組織力」です。BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)やICT(情報通信技術)を組織的に活用する企業や官公庁、学校などを取材し、「実録ドキュメント」として連載します。1回目は2009年12月、BIMの国際仮想コンペ「Build London Live 2009」で、見事、最優秀賞などを獲得したチーム「BIM Japan」にご登場いただきましょう。

結成間もなく本番を迎えた日本ドリームチーム

 2009年12月19日の未明、「BIM世界一、おめでとう!」「今夜は興奮してなかなか寝付けない」といったメールが、日本の建築関係者の間で飛び交いました。

 12月15日21時(日本時間。以下同じ)から17日21時までの48時間、ロンドンを舞台にBIMの仮想国際コンペ、「Build London Live 2009」(以下、BLL2009)が開催されました。このコンペに建築設計事務所や建設会社、ソフトベンダーなどのメンバーで結成した日本チーム「BIM Japan」が参戦し、最優秀賞とサステナブル賞を獲得したことが、19日の午前1時過ぎに、コンペ事務局のブログサイトで発表されたのです。

BLL2009で最優秀賞とサステナブル賞をダブル受賞した日本チームの設計案(資料:チーム「BIM Japan」)

 日本チームが参戦を決めたのは開催の20日ほど前でした。きっかけはBIM用データ交換の国際標準を開発するIAI日本のメンバー、足達嘉信さん(セコム)が、11月27日に東京・秋葉原で開催された環境解析ソフトのセミナーで講師を務めたこと。その場で山際東さん(ビム・アーキテクツ)、セミナー主催者である環境シミュレーションの代表取締役、阪田升さんと話し合い、日本チームの結成を急きょ決定。その後、他のメンバーにも声をかけて本番を迎えたのでした。

 参加メンバーが所属する会社は、大小、様々でした。企業が集まってチームを作ったと言うよりも、BIMに関心のある企業内の個人同士が、日ごろの付き合いや信頼関係を基にして結集してできたチームです。メンバーのBIMについてのスキルは高く、まさに「ドリームチーム」ともいうべきものでした。

日本チームを構成したメンバーの一部。左から足達さん、山際さん、阪田さん、大塚商会の飯田千恵さん、ビム・アーキテクツの川口聡さん(写真:家入龍太)

チーム「BIM Japan」のメンバーが所属する企業と役割
企業名 役割
セコム コンペ事務局に対する成果物の納品など
ビム・アーキテクツ 意匠設計、ビジュアライゼーションなど
大成建設 構造設計
大塚商会 日影解析など
インフォマティクス 4Dシミュレーション、干渉チェックなど
環境シミュレーション CFD(計算流体力学)による熱環境解析や風シミュレーション
フォーラムエイト バーチャルリアリティー(VR)作成、動線解析
(注)企業内個人としての参加を含む

BLL2009のウェブサイト。画像下にあるテムズ川河口の仮想人工島がコンペの舞台となった(資料:Build London Live事務局)

サイト、メール、ケータイでつながるフラットな"バーチャルカンパニー"

 BLL2009の開始まで、日本チームは一度、ミーティングを開いただけでした。しかも、全員が顔をそろえたわけではなく、米国出張中だったチームリーダーの足達さんを欠いたままの簡単な打ち合わせでした。

 今回のコンペ課題は、ロンドンのテムズ川河口に造成した仮想の人工島に、所定の広さや戸数を持ったオフィスや小売店、ホテルなどからなる複合施設を設計することでした。

 48時間のコンペ中、各メンバーはそれぞれの所属会社で日常業務をこなしながら作業を行いました。設計中のBIMデータはインターネット上に設けた情報共有用のサイトにアップロードし、その情報をメンバー全員が共有しながら設計が進みました。

 まず、チーフアーキテクトを務める山際さんが意匠設計を行い、BIMデータをサイトにアップ。するとこのデータを基に構造設計、熱環境や風、人の動線などの解析、そして4Dシミュレーションやバーチャルリアリティーの作成などを、チームメンバーがネット上で連携し、あたかも"バーチャルカンパニー"(仮想の会社)のように作業が進みました。

 山際さんはチーム全体の作業をコントロールする"管制塔"としての役割も担いました。「やるべき作業を即断、即決し、メールや携帯電話でメンバーに作業を割り振りました。日ごろ、意匠設計者として構造や設備の設計者に対応しているのと同じ要領です」と山際さんは説明します。

日本チーム内のコラボレーション体制(左)とコンペ主催者(右)との連絡体制(資料:チーム「BIM Japan」)

フラットでシンプルな組織構造が生産性を向上


ケンプラッツ

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