今回の建設IT注目情報 ~三菱電機「エレベーター省エネ群管理システム」~
エレベーターのかごに載っている人が一人のとき、定員の半分のとき、満員のときでは、どれが電力消費量が少なくなると思いますか。
答えは「定員の半分」。というのも、エレベーターのかごをつるすワイヤロープの反対側には重りがつってあり、ちょうど定員の半分くらいが乗ったときにバランスがとれるようになっているからです。
それより乗車率が多くなっても、少なくなっても、巻き上げ機には負荷がかかるため、消費電力が増えてしまいます。
そこで、三菱電機はこのほど、複数のエレベーターを持つビル用に「エレベーター省エネ群管理システム」を開発しました。
ナ、ナ、ナ、ナ、ナ、ナント、
かごの乗車率まで考慮
して、最もエネルギー消費が少なくなるように"配車"してくれるものなのです。
利用者がエレベーター乗り場でボタンを押したとき、それぞれのかごの位置だけでなく、乗車率が定員の半分に近いという要素も考慮して、トータルに消費エネルギーを計算。最適なかごを選んで運行させる仕組みです。
そのため、「最も近いかご」を配車するのに比べて、若干、待ち時間は増えます。しかし、 一般的なオフィスビルでは、平均待ち時間の20秒が1~1.6秒程度増えるだけなので 利用者はほとんど不便を感じません。
朝夕や昼食時など、次から次へと利用者がやってくるような場合は、「利便性優先」でコントロール。空いている時間帯には「省エネ優先」でコントロールというように使い分けることができます。
エレベーター省エネ群管理システムを搭載したエレベーターは、2010年4月から国内外の市場に順次、投入するとのことです。ただ、メーカーの努力だけではエレベーターの省エネには限度がありそうです。