今回の建設IT注目情報 ~メガソフト「住宅模型作成サービス」~

3次元CADやBIM、CGが幅を利かすようになっても、建築模型は根強い人気を保っています。

その強みは、誰もが直感的に手に取って見られる手軽さに加えて、複数の人が好きな角度から見たり、意見を言ったりすることにあるでしょう。また、模型ならではのどっしりとした重量感も、見る人に満足感を与えます。

「3Dマイホームデザイナー」など、3次元の住宅デザインソフトを発売しているメガソフトでは、住宅のオリジナルな模型を手軽に作れる「住宅模型作成サービス」を始めました。

ナ、ナ、ナ、ナ、ナント、
 
3Dプリンターで住宅模型
 
を作ってくれるものなのです。

3Dプリンターとは、3次元CADなどで設計したデータに従って細かい粉末と硬化材入りインクで少しずつ断面を積み上げていき、最終的に"塗装済み完成品"の模型を作成するコンピュータ制御の造形マシンです。

このサービスを使うためにはユーザーはまず、同社のプロ向けソフト「3DマイホームデザイナーPRO6」または一般向けの「3DマイホームデザイナーLS2」で住宅を設計し、そのデータを専用サイトにアップロードします。

すると、同社と提携しているアイジェット(横浜市金沢区)が3Dプリンターで設計データ通りの模型を作り、送ってくれるというわけです。

標準タイプ」は縮尺を指定して造形するもので、1/50、1/75、1/100、1/150、1/200のほか、任意の縮尺での作成も可能です。

鉄道模型のNゲージで使われる1/150や、特注すればHOゲージ用の1/80も作ってくれるようですので、マニアにもありがたいですね。

ちなみに模型は、戸建て住宅なら3階建てまで、マンションならワンフロアタイプとメゾネットタイプが作れます。模型代金は使う材料の量によって異なりますが、2階建ての戸建て住宅は2万7300円(税込み)からとなっています。

また、縦、横、高さの3辺の合計が約15cmになるような縮尺で作ってくれる「ミニタイプ」もあり、こちらは代金9870円(税込み)です。

3DマイホームデザイナーPRO6で設計したデータ(左)から作成した模型のサンプル(右)。サイズや植栽の量は実際の販売商品とは異なる(資料:メガソフト)

標準タイプ(左)とミニタイプ(右)の例(資料:メガソフト)

標準タイプの価格例(資料:メガソフト)

材料が石こうなので、部材の厚さは最低でも1.5mmとなります。そのため、造形の際に厚み増しの編集が必要だったり、ディテールの角が甘くなったりします。一方で、この模型は驚くような"機動力"も持っているのです。