イエイリはここに注目した! ~IFCによる3Dモデルとの連動~

 IT推進部会では、工程表の各要素を表現する方法に、BIMの標準データ形式として世界中で普及している「IFC」を採用しています。

 IFCの主目的は、建物の3次元形状や仕様の表現方法を規定することですので、工程表の時間軸や工種の分類、工程表上の色や形状などを表現するための「タグ」という部品が不足しています。

 そこで、工程表では新たなタグが必要となります。タグを定義するに当たってIT推進部会では、汎用の機能を使うことを提唱しています。あくまで、IFCの仕様内でのデータ交換にこだわっているところがミソですね。

 そのため、IFCで表現した工程表は
 
建物の3次元モデルと連動
 
することが可能になります。

 すると、「3階の駆体工事を行う期間に必要な資材の一覧表」を集計したり、「1月末日での資材投入の進ちょく率」を定量的に算出したりできるようになるわけですね。

 工程表をベースに、トータルな管理が行えるようになると、いよいよ施工現場での3次元モデル活用が本格化し、施工管理の手法に“革命”が起こるかもしれません。

工程計画でのBIM活用イメージ(資料:BCS IT推進部会)

家入龍太(いえいり・りょうた)
1985年、京都大学大学院を卒業し日本鋼管(現・JFE)入社。1989年、日経BP社に入社。日経コンストラクション副編集長やケンプラッツ初代編集長などを務め、2006年、ケンプラッツ上にブログサイト「イエイリ建設ITラボ」を開設。2010年、フリーランスの建設ITジャーナリストに。IT活用による建設産業の成長戦略を追求している。
家入龍太の公式ブログはこちら。
http://www.ieiri-labo.jp/