日が暮れて現場の作業が終わっても、事務所に戻ってきた技術者を待ち受けているのがその日、撮影した工事写真の整理です。

デジタルカメラから大量の写真データを取り出し、パソコンでフォルダに分けて整理します。さらに工事写真管理ソフトに写真を取り込んで、撮影場所や作業の内容などのコメントを書いたりしなければいけません。

最近は建築確認申請の厳格化により、建物の鉄筋量は多くなり、さらに工事のトレーサビリティーを確保するため、工事写真の枚数も増える傾向にあります。工事写真管理に要する労力も並大抵ではないでしょう。

そこで、飛島建設が開発したのが「ICT工事写真管理システム」です。

ナ、ナ、ナ、ナ、ナント、

 

ケータイで撮って送信

 

するだけで、サーバーが工事写真アルバムを自動的に作ってくれるのです。

このシステムは、建築工事の写真管理や配筋検査作業を省力化するために開発しました。ケータイで鉄筋の配筋状況を撮影する時点で、場所や対象物、鉄筋径や本数、コメントを入力しておきます。

これらの情報は撮影した写真とともにサーバーに送信し、サーバーでは送られてきた情報を元に工事写真アルバムを自動作成。あとは現場で工事写真アルバムを利用することはもちろん、本社や支社などからも見ることができます。

まさに、「工事写真管理のクラウドコンピューティング」と言えるシステムではないでしょうか。現場で写真を撮った段階で、工事写真を整理するための仕事は終わっていますので、大幅な省力化が図れそうですね。

ICT写真管理システムの概要(資料:飛島建設)

現場での使用例(上)とサーバーで自動作成した工事写真アルバム(下)(資料:飛島建設)

従来作業と本システムとの作業手順の比較(資料:飛島建設)

ところで、現場で撮影場所などの入力をケータイで行うのはかえって面倒ではないか、という意見も聞こえてきそうですね。そこも、ちゃんと考えてあるのです。