自動車業界は「エコカー」ブームですが、建設機械にもその波がやってきました。コベルコ建機は、2010年1月に8t級のハイブリッド油圧ショベル「SK80ハイブリッド(本体型式:SK80H-2)」を発売することになりました。

驚くべきは、その燃費です。従来機に比べて、

ナ、ナ、ナ、ナ、ナント、

 

最低でも燃費40%向上

 

という、圧倒的な低燃費化を実現したのです。

この数字は、同社の基準による比較値ですが、現場でのモニター稼働で燃料消費量を測定したところ、家屋解体現場では54%減、宅地造成現場では60%減という結果も得られたそうです。

エンジンには油圧ポンプとともに「発電電動機」が接続されています。発電電動機は作業負荷が小さいときやアイドリング時に発電し、その電気をバッテリーに蓄えます。逆に負荷が大きいときには、バッテリーの電気を使ってモーターとして機能し、エンジンをアシストします。その結果、エンジンも小型化され、4t級油圧ショベルに使われるサイズのものになったのです。

また、油圧ショベルの運転席やアームを旋回させる機構は電動式になっており、旋回にブレーキをかけるときに発電してその電気をバッテリーに戻す仕組みです。

SK80ハイブリッドのメーカー希望小売価格は2530万円(税別)で、コベルコ建機は年間10台の販売を目指しています。同社は「燃費のコベルコ」としての地位を確固たるものにしていく方針です。

コベルコ建機が発売する「SK80ハイブリッド」(写真:コベルコ建機)

ハイブリッドシステムの構造(資料:コベルコ建機)

エネルギーや電気の流れ(資料:コベルコ建機)

従来機と比べた省エネ性能(資料:コベルコ建機)

施工の省エネ化を図るうえで、ハイブリッド建機の採用は「ハード面」の対策と言えるでしょう。さらに「ソフト面」の対策を行うと、もっと燃費を減らすことができそうです。