応力や気流などの複雑な挙動を3次元で解析するためのソフトは、数百万円するものも珍しくありません。大学や高専などの教育機関向けには、一般価格より割安な「アカデミック価格」が設けられていることもありますが、そう簡単に買うこともできないでしょう。

ところが、インターネットが普及した現在なら、数百万円もするソフトと同等の解析を行えるソフトが、

ナ、ナ、ナ、ナ、ナ、ナント、

 

無料で使える

 

こともあるのです。

プログラムの元となるソースコードをインターネット上で公開し、ユーザー同士が自由に改良し、その成果を共有する「オープンソース」と呼ばれるものです。建築・土木関連では、構造解析用の「Adventure」熱流体解析用の「OpenFOAM」といったソフトがあります。

ただ、一般のソフトと違って使い方はやや複雑で、WindowsやMacなどパソコン上にUbuntu(ウブントゥー)というオープンソースのOSを動かせるように「仮想マシン」を構築する必要があったりします。

11月7日、東京大学本郷キャンパスで、OpenFOAMユーザー会主催の「第2回オープンソースCAEワークショップ」が開催され、オープンソースの開発者やユーザー約100人が集まりました。

朝9時から夕方6時まで、オープンソースによる解析について様々な講演が行われました。例えば、建物内外の気流や通風の解析例や、安価なグラフィックボートで解析速度を驚異的に速める裏ワザの紹介などです。また、実際にパソコンを使ってオープンソースの動かし方を学ぶ講習会も開かれました。

11月7日、東京大学で開催された「第2回オープンソースCAEワークショップ」(写真:日経BP社)

実際にパソコンでオープンソースを使う講習会も開催(写真:日経BP社)

様々な分野のオープンソースユーザーは大同団結して、さらにパワフルな活動に乗り出しました。