10月28日から30日まで、日経BP社は横浜市で「グリーン社会」をテーマにした展示会「Green Device 2009」を開催しました。

展示会場の各ブースには太陽光発電パネルやLED照明機器など、ハイテクを応用した最新の省エネ、創エネ、蓄エネ機器がところ狭しと並んでいました。

そのなかで、「ほー、こんな省エネ方法もあったのか」と思わせるユニークな製品を発見したのです。

ナ、ナ、ナ、ナ、ナント、


23℃で“凍る”


「バイオPCM」という植物由来の物質を使ったシート状の建材なのでした。

これは、米国ノースカロライナ州アスベロに本社を置くフェーズ・チェンジ・エナジー・ソリューション社(Phase Change Energy Solutions)が開発したものです。

シートには数センチ角の袋が整然と並んでおり、その中にはバイオPCMが入っています。この物質の融点は、23℃に調整してあります。朝の涼しいときには固体だった物質は、昼間に外気温が上昇し、23℃になると融解し始めます。

その間、固体から液体に相変化するための「潜熱」を吸収しますので、袋に入れた物質の温度はしばらく23℃のまま変わりません。

逆に液体になった物質の温度が夜、気温とともに下がり始めると23℃で凝固を始めます。この間、凝固熱を放出するので物質の温度はしばらく変わりません。

人間が快適に感じる23℃に融点を設定し、壁の蓄熱容量を大きくしたところがミソですね。同社のブースで聞いたところ、融点は調整可能だそうです。

23℃で“凍る”物質、バイオPCM付きのシート(写真:日経BP社)

プレハブ工場での壁の製作作業。壁の内部にシートを敷き詰めている(画像:YouTube)

バイオPCM付きシートの効果。横軸が時間、縦軸が温度(華氏)を表す。バイオPCMを使ったときは温度が23℃に相当する華氏73度付近で安定していることがわかる(写真:日経BP社)

 その施工方法などを記録した動画が、「YouTube」にアップロードされていたので見てみました。