夏場に都心部の気温が周囲の地域に比べて高くなる「ヒートアイランド現象」の大きな原因の一つは、エアコンの室外機から吐き出される熱気と言われています。

室内の熱エネルギーをエアコンを流れる室内機によって吸収し、ただでさえ暑い外気に向かって室外機から放出するわけですから、無理もありませんね。

ところが、先日、三洋電機が発表した省エネ手法は、


ナ、ナ、ナ、ナ、ナント、


室外機に雨水を散水


するという画期的なものなのです。


同社では、タンクに貯めた雨水をオゾンによって浄化、殺菌し、有効利用する「雨水浄化・除菌システム(仮称)」を開発しました。室外機への雨水の散布もその活用例の一つです。

エアコンの室外機が、外の空気との熱交換で熱を放出する際、外気温が高くなるほど効率が落ちます。そこで、雨水を散布することにより運転効率を高めようというものです。

水の蒸発熱を使うため、外気の温度をあまり上げずにすむというメリットもありますね。これまで、空気だけに頼っていた「顕熱」による熱交換だけでなく、大きなビルの空調システムで使われている「冷却塔」と同じく、「潜熱」も活用しようというわけですね。

「雨水浄化・除菌システム(仮称)」の構成例(画像:三洋電機のプレスリリースより)
オゾンによる雨水の浄化・除菌の仕組み(画像:三洋電機のプレスリリースより)


建物の屋根上に降った雨水は、雨どいをつたって貯水タンクに貯められ、浄化ユニットで雨水をオゾンにより浄化、除菌されます。オゾンには強力な酸化作用があるため、藻やレジオネラ菌、大腸菌などの発生が発生する心配もありません。

このほか、室外機への散水以外にも、潜熱活用によってこんなこともできるのです。