ダムの建設現場などでは、基礎掘削の後に露出する岩盤面の地層形状や傾斜、湧水、地質などを記録することが、構造物の品質を証明する資料となるので重要です。また、建設後のメンテナンスでも、この情報は必要不可欠のものです。

しかし、掘削面を記録する作業は、岩盤面に5mくらいのピッチでロープでマス目を作り、それを手がかりにスケッチし、全体図の上に配置し、CADで清書するといった感じで、何人もの人手がかかり、大変な手間ひまがかかっていました。

この作業を、


ナ、ナ、ナ、ナ、ナント、


一人でできるシステム


が完成したのです。


飛島建設がこのほど開発した「岩盤面描画支援システム」というもので、必要なものはデジタルカメラとタブレット入力式の現場用パソコン、そして現場にある箱尺と巻き尺だけです。

岩盤面を撮影したデジタル写真を、真上から見下ろしたような「オルソ画像」に変換し、その上をトレースするようにいろいろな情報を書き込んでシステムなのです。

尺度を持たせた写真画像に地質をスケッチ描写(写真:飛島建設のニュースリリースより)
岩盤面のスケッチ画面のクローズアップしたもの(写真:飛島建設のニュースリリースより)


ポイントはどのように縮尺付きの平面図のようなオルソ画像を作るかというところでしょう。では、その手順を見てみましょう。