建築分野では3次元CADが急速に普及し、日本語版のビルディング・インフォメーション・モデリング(BIM)対応CADは既に5本くらいが登場しています。一方、土木分野では依然として従来の2次元CADによる設計が中心です。

しかし、今年3月に国土交通省の「CALS/ECアクションプログラム2008」で3次元技術の活用推進が盛り込まれたり、中部地方整備局の「建設ICT導入研究会」で3次元の設計情報を活用した情報化施工のモデル工事が多数、実施されたりと、土木分野でもいよいよ3次元による設計、施工が本格化し始めました。

これまで、道路や河川などの盛り土、切り土や造成工事などを行うための土木用3次元CADとしてはオートデスクの「Civil 3D」やベントレー・システムズの「InRoads」が“2強”として知られていましたが、このほど、

 

ナ、ナ、ナ、ナ、ナント、

 

“御三家目”が上陸

 

したのです。

 

フォーラムエイトがこのほど発売した「12d Model」という土木測量、設計用の3次元CADで、開発元はオーストラリアの「12dソリューション」という会社です。

フォーラムエイトが開催した「12d Model」の発表会にはオーストラリアから来日した技術者が説明した(写真:日経BP社)
道路や河川、造成など土木の測量、設計用の様々な機能を備えた「12d Model」(画像:フォーラムエイト)
道路の走行シミュレーションも可能です(画像:フォーラムエイト)
盛り土や切り土の土量計算機能(画像:フォーラムエイト)

この3次元CADは、基本製品と機能別のモジュールからなっており、必要に応じてモジュールを買い足すことで比較的安く、ソリューションをそろえることができるそうです。

基本製品で簡単な道路や鉄道、貯水池や用水路などの設計を行うことができ、モジュールを併用すると土量分析や三角測量解析、下水道とガス、電線などとの干渉チェック、河川の洪水解析など、専門的な解析を行えます。

3次元CADというと、ハイスペックなパソコンが必要と思いがちですが、このソフトは

 

PentiumII、128MB

 

のメモリーというロースペックなパソコンでもちゃんと動くのが特徴です。

価格については、説明会では明らかにされませんでしたが、競合製品に比べてリーズナブルとのことですので、今後の土木分野の3次元CAD普及に一役買うかもしれませんね。