ご多分にもれず、我が家にも子供の成長記録などのホームビデオのテープが山のようにあります。今では「骨董品」となったVHSを小型化したVHS-Cのカセットや、デジタルビデオテープが合計130本。時間にすると70~80時間分のテープがあります。

これらを読みとる装置はいつまで入手できるのか、テープ自体はいつまで劣化せずに読めるのかということが、以前から心配になっていたのです。

そこで、先日、2TBのLAN接続型ハードディスクを買ってきたのをきっかけに、意を決して、これらのビデオテープを全部、パソコンで取り込み、データとしてハードディスクに保存しようと思い立ちました。

このハードディスクは2つのハードディスクで同じデータを記録する「ミラーリング方式」になっており、万一、一つのハードディスクが故障してもデータは保たれるというものです。

できるだけ本来のテープの画質を落とさないようにするため、最初は動画1枚ずつの画像を連続写真のように記録する「AVI形式」で取り込んだのですが、テープ1時間当たり、

ナ、ナ、ナ、ナ、ナント、

 

13ギガバイト

 

もの記憶容量が必要だということがわかったのです。

これでは、あまりにもデータ量が多いので、「MPEG2」形式に変換したところ、約3分の1の4ギガバイト程度になりました。ここまでの所要時間は、テープ1時間当たりAVIの取り込みに1時間、MPEG2への変換に2.5時間程度、合計3時間半くらいかかりました。使っているパソコンのパワーのなさを実感しましたね。

約100本のVHS-Cビデオテープと約30本のデジタルビデオテープを取り込んだ(写真:日経BP社)
ビデオ取り込み作業中の机。メインのパソコンは取り込みやMPEG2への変換で終日、動いているので、自分の作業用にノートパソコンを使用(写真:日経BP社)
ビデオテープの取り込みを決意させたLAN接続型のハードディスク(写真:日経BP社)
10年前のケンプラッツサイトで、IT活用に取り組むダム現場のリポートを行ったときのNG動画も発見された(写真:日経BP社)

テープからパソコンに取り込むのは手動ですので、休日とか出勤前後に、食事や入浴の合い間に行い、AVIからMPEG2への変換は、動画編集ソフトの「バッチ機能」で寝ている間とか、出かけている間などに行いました。

こうして、昨日、めでたく130本のビデオテープの取り込み作業をほぼ終えたのですが、約3週間ほどかかりました。MPEG2形式のビデオデータの容量は約270GBになりました。

ビデオを取り込んでいる間には、その動画が表示されるので、ついつい見てしまうことが多いですが、その過程で存在を忘れていた

 

恥ずかしいNG動画

 

なんかも発見しました。

例えば、約10年前に当サイトでダム現場の動画リポートを行ったときに、「もう一回、いいですか」などと自分がかみながら中継している場面とかが“発掘”されると、当時のいろいろな出来事が脳裏に浮かんできますね。

なお、今回のビデオテープ取り込みに使った機器は、以前買ったもので、デジタルビデオをパソコンに取り込むためには「IEEE1394」(FireWire)という規格の接続端子用ボード、VHSビデオを取り込むときにはAD変換器でデジタルビデオの信号に変換してから取り込みました。

今ではUSBでビデオを取り込むための接続機器が5000円程度でパソコンショップで入手できるようです。また、テープの画質をなるべく保つためにパソコン店の方のアドバイスでMPEG2形式を使いましたが、皆さん、おすすめのデータ形式は何でしょうか。同じような作業をされた方の体験をコメントでいただけるとうれしいです。