騒々しい建設現場で使われるコンパクトな記録手段としては、野帳やPDA、最近では携帯電話などがあります。これらは手書きかボタンかは別として、文字やチェックボックスなどで入力するものがほとんどでした。

一方、カーナビなどでは、音声認識という技術が使われ始めています。例えば「広島空港に行きます」とマイクに話しかけるとカーナビがその声を認識して、目的地を設定してくれるようなシステムですね。

日鉄エレックスが6月23日に発売した音声認識システム「e声楽(こえらく)くん」は、


ナ、ナ、ナ、ナ、ナ、ナント、


騒々しい建設現場


で、この音声認識を使ってしまおうというものなのです。


これまで、騒音のある場所では、マイクから人間の言葉以外の音が混ざって入力されるので、コンピューターが処理できないので、音声認識は使えないというのが常識でした。

ところが、e声楽くんでは画期的な方法でこの問題を解決したのです。

「e耳くん用音声認識システム」を使用したソリューション適用イメージ (画像:日鉄エレックスのプレスリリースより)
イヤホンとマイクが一体となった「e耳くん」 (画像:日鉄エレックスの製品紹介ページより)


それは、


耳から音声を入力する


方法です。


マイクとして使う同社が開発した耳栓のような形をした騒音抑制型イヤホンマイク「e耳くん」は、一見、イヤホンのように見えますが、実はマイクも兼用しており、騒音の少ない耳の内部から人間の声を拾って入力する仕組みです。

そのため、建設現場のようにブレーカーやコンプレッサー、送風機といった大きな騒音を出すものがある場所でも、クリアな音声を入力することができるわけですね。

入力した音声は、カーナビゲーションなどで使われている旭化成の「VORERO」という音声認識エンジンで処理し、様々な記録などに使うことができます。

e声楽くんは、Windows XP搭載のPC/AT互換パソコンのほか、Windows CEやWindows Mobile搭載のPDAなどでも使えるとのことです。

イヤホンから入力することで手も使わなくて済みますので、仕事も安全で、楽になりそうですね。