2010年に開催される上海万博は、5.28平方キロメートルの敷地に数百ものパビリオンが立ち並ぶ壮大なスケールです。一通り見て回るには、10日間くらいかかるそうです。

一度、行ってみたいけど、お金や時間がないなとお嘆きの方、心配はいりません。というのも、

 

会場を丸ごと3D化

 

して、インターネットで世界中、どこからでも見られるようになるからです。

上海世博会事務協調局では、ダッソー・システムズの3次元ソフト「3DVIA」を使って、2010年上海万博公園やパビリオンを、 3Dでバーチャルに構築し、インターネットで公開します。

そのため、観客は現地に行かなくても会場全体の雰囲気を体感しながら、マウス操作を行うだけで、会場内を自由に行き来できます。

3次元でバーチャルに歩き回れる「万博オンライン」(画像:万博オンラインのプロモーションビデオより)

パビリオン内部の展示物もぐるぐる回して見られます(画像:万博オンラインのプロモーションビデオより)

YouTubeにアップされている万博オンラインのプロモーションビデオ

会場の中を散歩するだけでなく、パビリオン内部の展示品もモデル化されて、あちこちからひっくり返したりして見ることがもます。さらに、会場でリアルに展開されているイベントもネットで中継されますので、ほとんど行った気になれますね。

さらにありがたいのは、上海万博全体のモデルが

 

会期終了後も永久保存

 

されることです。

つまり、会期が終わって、パビリオンなどが取り壊された後でも、後生の人は時代を超えて、2010年の上海万博をずっと体験できるわけですね。

この「万博オンライン」のサイトは http://www.expo.cn/ (中国語・英語)に設けられます。2009年中はベータ版が公開され、2010年5月1日に正式オープンするそうです。

なにか、ちょっと前にブレークした「セカンドライフ」を思わせるシステムですが、実際にある施設がリアルに3D化されるとなると、ぐっと興味もわいてきますね。ぜひ、あなたも上海万博を見に行きましょう!

ダッソー・システムズというと、製造業向けの3次元CAD「CATIA」などで知られていますが、最近は建設分野向けにカスタマイズした製品も発売されており、日本でもビルディング・インフォメーション・モデリング(BIM)用に使っているユーザーも出始めています。展示会施設の建設プロジェクトでは今後、「3Dモデルもセットで建設」といったケースも出てくるかもしれませんね。