ひと昔前のホームページは、通信速度の遅いダイヤルアップやISDNなどを考慮して、動画などの配信でもわざと画像を粗くしていることが多くありましたが、今やブロードバンドが標準で高画質のムービーが当たり前のように配信されています。

総務省の「ブロードバンド・ゼロ地域脱出計画」などの取り組みにより、全国各地のブロードバンド普及率も高くなっていますが、離島などではまだ、ブロードバンドが使えない場所もありそうですね。

無線LANで数十キロの距離を飛ばす技術開発も進んでいますが、注目したいのは衛星ブロードバンドです。衛星を使った通信サービスと言えば、料金も相当高いのではと思ってしまいますが、

ナ、ナ、ナ、ナ、ナント、


月額3500円(税別)


というリーズナブルなサービスも提供されているのです。


これは、「IPSTAR」というブロードバンド通信専用の衛星を使ってアジア・太平洋地域で通信事業を展開するIPSTAR社(IPSTAR Company Limited)が今年4月から始めたサービスのうち、一番安いコースで最大通信速度が下り512/上り256Kbpsという内容です。

衛星ブロードバンド通信サービスの仕組み(画像:IPSTAR社のホームページより)
日本周辺のサービスエリア(画像:IPSTAR社のホームページより)
衛星ブロードバンド通信サービスの料金表。6月30日までは割引サービスを実施している(画像:IPSTAR社のホームページより)


このほか月額4500円(税別、下り1Mbps/上り512Kbps)、同1万円(同2Mbps/1Mbps)のコースも用意されています。それぞれ、サービスプロバイダーやメール利用料金も含まれていますので、このサービス一つあれば、一通りインターネットのサービスが使えそうですね。

ただ、利用に当たっては、アンテナを設置する費用として初期費用が30万円(税別)かかります。

このアンテナから、IPSTAR衛星を介して、埼玉県秩父郡小鹿野町(おがのまち)にある同社の通信センターからインターネットに接続されます。

通信衛星というものを使いながら、これだけ安く使えるのは、この衛星をアジア、太平洋地域にいるユーザー


数百万人が共用


しているからなのです。


6月19日には、このサービスを使って山形県酒田市の離島、飛島内にある酒田市立飛島小学校に、ブロードバンドサービスが導入されたそうです。

離島や山奥の建設工事でも、ブロードバンドが使いたいときには役立ちそうなサービスですね。