フォーラムエイトといえば、橋や道路などの土木設計ソフトの老舗です。ここ10年くらいは、完成後の道路や街並み、クルマや人の流れなどをバーチャルリアリティで体験できる「UC-win/Road」などのソフトを、日本はもちろん、欧米やアジア各国にも幅広く展開している国際的な企業です。

昨日(5/20)、同社が主催する「第10回 UC-win/Road協議会/VR-Studio協議会」が東京で開催されました。同社製品のユーザーが集まり、最新の活用事例や開発秘話などを報告するイベントですが、セミナー会場に隣接する展示会場では、
本格的な運転シミュレーターの試乗会が開催されていました。

たまご型の“ボディ”の中には、本物さながらのハンドル、アクセル、ブレーキがあり、「UC-win/Road」で3Dモデル化された名古屋周辺の街並みを運転していくものです。

早速、私も乗らせてもらいました。地下の駐車場から地上に通じる斜路を登りかけた瞬間、


ナ、ナ、ナ、ナ、ナント、


座席が後ろに傾いた


ではありませんか!!!


これは「6軸体験シミュレータ」というもので、富士重工業・航空宇宙部門のフライトシミュレーター技術と、スバル自動車部門の技術によって開発されたものとのこと。

座席が傾くドライブシミュレーター(写真:日経BP社)

立体視できるドライブシミュレーター(左)やバーチャルリアリティシステムも(写真:日経BP社)

セミナー会場であいさつする伊藤裕二社長(左)と次期バージョンのソフト紹介(写真:日経BP社)



UC-win/Roadで時々刻々と算出されるクルマの速度や加速度、傾きなどの情報を6軸体験シミュレーターに送ると、その動きに対応して運転席が傾いたりするのです。

ちょっと手荒な運転でもしようものなら、「ガクガクガク」と運転席に衝撃が伝わってきますので、迫力満点です。気になるシミュレーター単体のお値段は


税別で750万円


だそうです。システム一式だと、同950万円です。


セミナーの方は、バーチャルリアリティソフトをバリバリに使いこなす講演者が多いだけに、ふんだんなCGやアニメーションなどを駆使した発表は見応えがありました。

建築業界ではビルディング・インフォメーション・モデリング(BIM)によるデザインの可視化などが注目を集めていますが、土木やまちづくりなども、すでにバーチャルリアリティを駆使した設計があちこちで行われており、BIMとのデータ連携も始まっているようです。

ドライブシミュレーターで設計した街や道路などの“使い勝手”をチェックする仕事というのも、楽しそうですね。