太陽光発電が普及する以前は、一戸建ての家の屋根に太陽の熱でお湯をわかす温水器がよく見られました。しかし、マンションやアパートなどの集合住宅では、住戸の数に比べて屋根のスペースが小さかったり、配管が長くなったりして取り付けるのが難しかったのではないでしょうか。

この常識を打ち破るエコ製品が現在、東京ガスなど5社によって開発されています。

ナ、ナ、ナ、ナ、ナント、

 

バルコニーの手すり

 

に取り付けられる太陽熱温水器なのです。

この製品は東京ガスのほか、矢崎総業、三協立山アルミ、リンナイ、ガスターが共同で開発している「集合住宅用太陽熱利用給湯システム」というものです。

バルコニーの手すりに集熱パネルを取り付け、暖まった熱媒(不凍液)を循環させることによって貯湯タンク(容量100リットル)内の水を温める仕組みになっています。

集合住宅用太陽熱利用給湯システムの構成図(資料:東京ガスのプレスリリースより)

試作機の外観(資料:東京ガスのプレスリリースより)

ベランダの手すりは垂直なので、太陽光の熱が集まりにくいのではないかと思われますが、研究の結果、4人家族の場合で給湯使用量の約11%を太陽光でまかなえることが明らかになったそうです。

また、集熱パネルが垂直になっていると、給湯ニーズの多い冬季には太陽高度が低くなって、逆に集熱量が増加するというメリットもあります。

おもしろいのは、熱媒の循環ポンプの電源として

 

太陽光発電パネル

 

を装備していることです。

天気がいいときには集熱量が多くなるのと同時に、循環ポンプ用の太陽光発電量も増えるので、自動的にどんどん熱を貯湯タンクに集めてくれるわけですね。

曇りの日などは、貯湯タンクに接続された潜熱回収型高効率給湯器「エコジョーズ」で加熱するようになっているので安定して給湯することができます。

今後、デザイン面の検討や太陽光の利用状況が一目でわかるリモコン、バルコニーへの設置性などの検討を行い、2010年2月に発売することを目指しているそうです。