「新・ゴマー二ズム宣言」シリーズなど、数々のベストセラーで話題を集めている出版社です。
今年の3月、同社から建築、土木プロジェクトや都市、防災問題などの裏方で活躍する
“縁の下の力持ち”的なソフト的技術を紹介する新刊が発売されました。
そのモデルとなったのは、ナ、ナ、ナ、ナ、ナント、
あの、構造計画研究所
なのです。
新刊のタイトルは、「あなたにもミエル化?」というユニークなもので、著者はノンフィクション
作家、山根一眞氏の「メタルカラーの時代」をサポートした愛弟子、喜多充成氏です。
構造計画研究所は以前は建築、土木用CADやソフトウエアのベンダーとして知られていましたが、
最近は総合エンジニアリング企業として、ITや通信、製造業などもカバーする
技術とサービスのコンサルティングでも幅広いサービスを提供しています。
構造計画研究所をモデルにした幻冬舎の新刊「あなたにもミエル化?」
建物を宙に浮かすことで地震の縦揺れを吸収する「3次元免震システム」もやさしく解説
総合エンジニアリング企業として幅広いサービスを提供する構造計画研究所のホームページ
建築、土木や防災などで活躍するエンジニアの人は、最適化やシミュレーション、数値解析
など、様々なツールを使っていますが、いざ、一般の人にその内容をわかりやすく、面白く
説明しようとすると難しいのではないでしょうか。
例えば、道路の交通渋滞は「前車との距離が空けば加速し、詰まれば減速する」という単純な
ルールで動くクルマの「速度のムラ」があることで発生するそうです。
渋滞はない方がいいですが、逆に新型インフルエンザの爆発的流行である「パンデミック」
を軽減するためには、逆にいかにウイルスが感染していく経路に“渋滞”を発生させるかが
カギになると本書は説いています。
これらのお堅い技術を面白く読ませてもらった後、構造計画研究所とは、
“ソフト界の村田製作所”
のような会社だなと思ってしまいました。
建築、土木分野ではこのほか、同社が開発した「3次元免震システム」と新幹線との関係、
解析に時間がかかりそうな津波警報が瞬時に出せる秘密、「一人一台の無線機」という
以前なら考えられないケータイの開発が自動車の衝突事故を防ぐ「高度道路交通システ
ム」に生かされていることなどの話が満載です。
日ごろ、意識していなかった建設分野の技術も、意外と面白いじゃん、ということを改めて
気づかせてくれる一冊です。新しい切り口で楽しめますよ。