今年、2月25日から27日にかけて、“BIM界のF1レース”こと、「Build Live Tokyo 2009」

というインターネット上の設計コンペが日本で開催
されました。


参加した6チームは、48時間という短時間の中で、課題となった「環境技術研究センター」

の設計に取り組み、趣向を凝らした作品を仕上げました。


その、審査結果がイベント終了から約1カ月後の3月25日に、主催者のIAI日本から発表

されました。


見事、「BIMグランプリ賞」に輝いたのは、



前田建設工業など



からなる「スカンクワークス」でした。


施工に直結する配筋シミュレーションや、「4Dシミュレーション」を駆使した

施工計画まで行ったことなどが高く、評価されました。


最終評価結果が出るまで、これだけ時間がかかったのは、単なるCG作品のコンテストではなく、

コンピューター上にBIMによって“仮想建物”を作る内容だったために、隠れた部分が非常に

多くあったためでしょう。


BIMグランプリ賞を受賞した前田建設工業などからなる「スカンクワークス」の作品(以下の画像:Build Live Tokyo2009のホームページ


ベストコラボレーション賞を受賞した「the BOMb」(左)とデザインイノベーション賞を受賞した「V-SPEC」(右)の各作品

IFCデータ連携賞の「Hokutosei」(左)と、ベストパフォーマンス賞の「Archi-TEKLA」(右)の各作品



BIMアカデミーション賞を受賞した東北工業大学のチーム「LEI」の作品



詳しい講評を発表したBuild Live Tokyo2009のホームページ

東京のほか米子や高知、熊本など全国各地のメンバー36人を束ねて風環境や日射、

照明、構造、熱負荷、CO2排出量の解析などをBIMツールで行った「the BOMb」は、

ベストコラボレーション賞に輝きました。


このほか、デザインの可視化をテーマにした「V-SPEC」がデザインイノベーション賞、

発売前のCADソフトで参加した「Hokutosei」がBIMの共通言語であるIFCデータによる

データ交換を評価されてIFCデータ連携賞に輝きました。


また、唯一、学生中心で参加した東北工業大学のチーム「LEI」は、



BIMアカデミー賞



を授与されました。


たった2人で、しかも横浜市と岐阜県に分かれてスカイプで連絡を取り合い、48時間

という耐久レースで構造設計から意匠設計を行うというユニークな手法で結果を出した

「Archi-TEKLA」は、ベストパフォーマンス賞でした。


しかし、BIMの設計内容は深く、なかなかデータだけではわからない面もあります。

主催者のIAI日本では6月10日に、参加チームを招いて報告会を開催する予定との

ことです。楽しみですね。