インターネットやCAD、デジタルカメラなどの導入で、建設業もここ十数年で急速に業務のIT化が

進んできました。しかし、水やほこりなどがある現場の最前線は、精密機器にとって厳しい環境であり、

持ち運べる機器も限られるということで、情報化のネットワークからとり残されがちでした。


この課題の解決に大きなパワーを発揮してくれそうな「Uメット」という画期的な新製品が

昨日(3/23)、谷沢製作所から発売されました。



ナ、ナ、ナ、ナ、ナント、



無線LAN、カメラ、GPS



など、IT機器を満載した“ハイテクヘルメット”なのです。


これを着けて現場に入れば、トンネルの切り羽であれ、鉄塔の上であれ、台風に見舞われた河川であれ、

どこからでも現場事務所や他の現場スタッフと映像や音声を使ってコミュニケーションが図れるのです。




谷沢製作所が発売した「Uメット」。ヘルメットとしての強度を有する「ベースメット」と、IT機器をコンパクトに
まとめた「アプリバイザー」からなっている(以上の写真:谷沢製作所の製品紹介ページより)



Uメットのつばの部分には、操作ボタンや端子が集約されている(左)。かぶったときのイメージ(右)

搭載されている機器は、通信機能として無線LANと3.5Gモバイル網(FOMA)を切り替えられる通信装置、

動画や静止画を撮影する30万画素のカメラ、データを記録するメモリー、位置を検出するためのGPSと

赤外線式タグ、そして作業者自身の身を守るためのアラーム発信・受信機能、倒れセンサーなどです。


これらの機器は、「アプリバイザー」というアタッチメントにコンパクトにまとめられ、ヘルメット本体となる

「ベースメット」に外付けして使います。


さらに、先日のテレビドラマ「黒部の太陽」などで出てきたように、水がじゃーじゃーと降ってくる現場で

も大丈夫なように、マイク、イヤホン装着時でも



IPX5等級の防水性能




を持っています。



気になるお値段ですが、「無線LAN/3.5G両用タイプ」で40万4000円(メーカー希望小売価格)で、

本体のベースメットは9600円(同)とのことです。


バッテリーも内蔵しているので、重くないかどうかが気になるところですが、この機器を開発中に

現場で実験したゼネコンの技術者
は、「手で持った感覚としては重い気がして正直なところ被るの

をためらったのですが、実際に被ってみると不思議と重さを感じません」と感想を述べていました。