学生がこれから社会に出て、いろいろな分野で活躍するために必要な力を磨くためのイベント、
「社会人基礎力育成グランプリ2009」の決勝大会が、昨日(3/5)、東京・よみうりホールで開催
されました。
社会人基礎力とは、「前に踏み出す力」、「チームで働く力」、「考え抜く力」からなります。
このイベントは、学校の授業や研究活動で、いかにこれらの力をパワーアップできたかを競う
もので、今回は全国から40の大学が参加しました。
その予選を勝ち抜いた9校が決勝大会に進出したのですが、この中には
ナ、ナ、ナ、ナ、ナント、
昨年、大学ロボコン日本一
の栄光に輝いた豊橋技術科学大学チームも含まれていたのです。
今回、参加したのは、ロボコンのチームではなく、BIMや3Dプリンター、レーザーカッター
などのITを駆使して地元の愛知県豊川稲荷前の商店街再生に取り組む、建設工学系
女子大学院生4人と指導教官の松島史朗さんです。
「社会人基礎力育成グランプリ2009」の決勝大会で発表する豊橋技術科学大学チーム(左)とITを活用したまちづくりについてのプレゼン資料(右)
発表後、自慢の模型をPRする豊橋技科大チームのメンバー(左)と、レーザーカッターなどを使って作られた精密なジオラマ模型(右)
決勝大会に出場した9大学のチームが勢ぞろいした表彰式
地元の豊川稲荷前の商店街は、昭和30年代ごろは大盛況でしたが、現在は活気が
失われてきており、商店主たちは以前から打開策を検討していましたが、具体的な方法が
見いだせないでいました。
そこに豊橋技科大が加わり、これまであいまいで、バラバラだった商店街のあるべき姿
を模型やCGなどでシミュレーションしはじめたことから、商店のファサード(前面)の改装
工事が実際に行われ、
行列のできるせんべい店
や、記念撮影の名所となったシャッターのデザインなどを実現してきました。
同大学の建設工学系には「CAD/CAMラボ」があり、CGはもちろん、3Dプリンターや
レーザーカッターなどを使った精密な模型づくりの技術が育ちつつあります。これらの
技術と、地元の商店街に拠点を設け、密接なコミュニケーションをとりながら商店街再生
のイメージを育て、合意形成を図っていったことが成果につながりました。
大会最後の表彰式では、高度な知識や学術レベルに対する「アカデミック面」と、「優れた
行動力とチームワーク」が高く評価され、「審査員特別賞」が授与されました。
ちなみに、グランプリは人工衛星の開発に取り組んだ大阪工業大学チーム、準グランプリ
には音楽イベントで無料ループバスを走らせた関西学院大学チームと、介護現場での実習
により知識、技術、実践を通じた成長を発表した奈良佐保短期大学チームが受賞しました。
<訂正>
初出時に「地元の稲川稲荷前」と記述しましたが「地元の豊川稲荷前」の誤りでした。(2009年3月13日0時12分)