3Dで行列のできる店に変身!
3Dプリンター、レーザーカッターで建築模型を作る


大学の建築教育でも、3次元によるものづくりが導入され始めました。豊橋技術科学大学の建設系建築コースに、2008年8月に誕生した、「CAD/CAMラボ」(正式名称:Data2Form ラボラトリー)は、3Dプリンターやレーザーカッター、最先端の3次元モデリング装置などを備えた施設です。日本の大学の建築学科では非常に珍しい施設と言えるでしょう。

「3Dプリンター」とは3次元CADで設計した建物などのモデルデータから、直接、着色済みの立体模型を作るマシンです。「レーザーカッター」とは、CADやドローイングソフトで描いた図面の通りにアクリル板や木材などを切断するものです。どちらも3次元設計と密接なつながりのある装置なのです。

この新しい施設では、早速、外部から3Dプリンターの専門家を招いて、マンガでおなじみのサザエさんの家を作る講義を行ったり、映画「ALWAYS 三丁目の夕日」で使われたミニチュア家屋を作った山川良一氏を招いてレーザーカッターによる建築模型の作り方の授業を行ったりしました。

豊橋技術科学大学のキャンパス(左)と2008年8月にオープンした「CAD/CAMラボ」
パソコンに接続された3Dプリンタ(左)と、3Dプリンタで作成した磯野波平宅の模型(右)
レーザーカッターと松島さん(左)。模型作成用のボードを高速で正確に切り抜いていく様子(右)
触感を伴った操作で自由な3次元曲面をデザインできるFreeForm+Phantom装置(左)。アニメのキャラクターの人形などの作成にも適している。作成したモデルを3Dプリンターで出力した模型(右)

3Dによるものづくり技術は、建築の学生たちをあっという間に虜にしたようです。授業で基本的な使い方を教わると、3Dプリンターやレーザーカッターはフル稼働の状態。卒業設計の模型作成などに大活躍のレーザーカッターは、「使いすぎて、これまで3回もレンズが割れたほど」と、CAD/CAMラボを創設した同大学準教授のの松島史朗さんは語ります。