でき上がったプラモに、リアリティを与えるのに欠かせないのが「デカール」というシールです。
曲面で構成される零戦などの機体に、日の丸やラインなどを張っていく作業は、
何気なくやっていましたが、デジタルでやろうとすると結構、ややこしそうです。
ところが今年12月に発売されるアドビ システムズの画像処理ソフトの最新バージョン
「ADOBE PHOTOSHOP CS4 EXTENDED」では、
ナ、ナ、ナ、ナ、ナント、
2D画像と3Dモデルを合成
するという、高度な編集機能が導入されたのです。
例えば、PHOTOSHOPにクルマの3Dモデルを読み込み、屋根に“デカール”を画面上で張り付けると、
その後はクルマに張り付いたままになり、一体として挙動するようになります。
2D画像と3Dモデルを合成する新機能。“デカール”を3Dモデルに張り付けた直後(左)と、傾けたところ(右)
「赤」が見えにくい色覚障がい者の見え方をシミュレーションする機能
当社にデモに来られたアドビ システムズのキャラバン隊による説明
また、最新バージョンでは3Dモデルに直接、ペイントすることができるようになりました。これは日本の
ユーザーからの要望が実現したものだそうです。
PHOTOSHOPというと、写真や画像を加工するための「お絵描きソフト」の高級なものと思っている
方もおられると思いますが、現行バージョンでもすでに3Dモデルを読み込んで、くるくる回したり
レンダリングしたりできるようになっているのです。
つまり、
PHOTOSHOPは3Dソフト
となっているのです。
建築や土木の設計では、完成時の状態をリアルに表現する「デザイン・ビジュアライゼーション」の
導入も進みつつあるようですが、従来のCGや3次元CADに加えて、PHOTOSHOPの効果的な
活用も選択肢の一つとして考えてもよさそうです。
このほか、新バージョンでは赤色や緑色が見えにくいという色覚に障害のある人がどのように
見えるのかをシミュレーションする機能や、レイトレーシングによる本格的なレンダリング機能
なども搭載され、ファイルの読み込み、書き出しも大幅にスピードアップしました。