大抵の場合は無料で入場できるというのが常識ではないでしょうか。
ところが、昨日、オートデスク製品のユーザーを対象として横浜で開催されたイベント
「AutodeskUniversity Japan2008」は、たとえ同社製品を購入した人でも、
ナ、ナ、ナ、ナ、ナント
入場料として1万円
払わなくてはいけなかったのです。
何十万円もする高額なCADソフトを何本も購入しているスーパーゼネコンの技術者も例外ではありません。
これだけの“高額入場料”を払って来る人がいったい、何人いるのか、気になりました。
ところが、基調講演の会場をのぞいてみてビックリ。200人を大きく上回るユーザーが
集まっていたのです。午後から来た人もいましたので、全体ではさらに多かったでしょう。
米国オートデスク社のウェイン・ホジンズ氏による基調講演「スノーフレーク(雪片):ユニークな時代の到来」には、200人以上の受講者が集まった
Revitユーザ会による「ここが知りたい!Revit実践活用テクニック一挙大公開!」は、講演者と受講者の距離が近く、同じ仲間同士でセミナーをやっている感じだった。ユーザーが疑問に思う20のノウハウを惜しげなく解説した
ユーザーがユーザーの質問に答える「ASK ME!」のコーナー(左)とユーザー同士がCG作品を競うコンテストの投票コーナー(右)
パーティーであいさつするAUGI日本支部の鈴木裕二氏。その後、料理は多数のユーザーにより、あっという間になくなった
このイベントは、AutoCADやRevitなど、オートデスク製品のユーザーが中心となって
企画されたもので、多くのプログラムの講師をユーザー自身が務めています。
製品別に11のクラスやハンズオントレーニングのトラックが設けられ、朝の9時半から
夜の8時ごろまで製品の活用ノウハウに密着した内容の講演などが続きます。
例えば、BIMソフトのRevitのクラスでは、Revitユーザ会のメンバーにより、「実践活用
テクニック一挙大公開!」と題して20の活用ノウハウが2時間にわたって紹介されました。
このノウハウをマスターして帰るだけでも、入場料1万円はすぐに取り返せそうでした。
まさに、ユーザーの、ユーザーによる、ユーザーのためのという
オブ、バイ、フォー
の三拍子がそろった新しいタイプのイベントと言えるでしょう。
米国では「オートデスク・ユニバーシティ」のほか、ベントレー・システムズ社の「BEコンファレンス」など、
このようなユーザー会が開催されており、入場料は日本よりもっと高く、10万円くらいしたりします。
“無料”が常識の日本でも、入場料1万円のイベントを開催し、これだけの参加者が集まったことは
CAD活用のノウハウの価値が認められてきたことの現れかもしれませんね。