国土交通省国土技術政策総合研究所は、従来のガードレールよりも断面幅が狭く、威圧感の小さい新しい車両用防護柵を開発。衝突実験でその性能を確認した。市町村道など、歩道スペースをあまり確保できない生活道路に使える。
開発した防護柵の支柱には、従来の円柱でなく角柱を使用した。支柱と横部材を合わせた断面幅は、従来の194mmから155mmまで縮小できる。
国総研は2月10日、防護柵の試作品の強度を、実車による衝突実験で確かめた。時速40kmで走る8tの中型車を約10度の角度で防護柵に衝突させたところ、車両が防護柵を突き破ることはなく、支柱の変形は天端で10cm弱に収まった。
幅員の狭い生活道路には、歩車道を物理的に遮る構造物が存在しないか、縁石や車両の衝突を考慮していない横断防止柵を設置しているか、どちらかのケースが多い。歩行者や自転車と車との衝突事故が多発していても、断面幅が広くてスペースを取る車両用防護柵は、設置しづらかった。