3月7日に開通することが決まった中央環状品川線。首都圏3環状道路のうち、最も内側の中央環状線はこれで全線が開通し、初めて「リング」が完成する。最も外側の圏央道も全線開通まであと一歩。真ん中の外環道は東京区間の工事が本格化する。

首都圏環状道路の2015年以降の予定
首都圏環状道路の2015年以降の予定(国土交通省などの資料と取材をもとに日経コンストラクションが作成)
国土交通省などの資料と取材をもとに日経コンストラクションが作成

  • 中央環状線は全線、圏央道は9割が開通して、都心部の渋滞は大幅に解消
  • 外環道や横浜環状線の工事や発注が本格化。多くの建設会社が注目

 2014年度末~15年度に、首都圏の3環状道路の建設に大きな動きが見られる。一つが開通ラッシュだ。

 3月7日に中央環状線の大橋ジャンクション(JCT)―大井JCT間の9.4kmが供用開始。これで、中央環状線は全線開通する。都心環状線の通過車両が分散し、都心で発生する慢性的な渋滞を解消できる。

 経済を活性化させる効果も期待できる。国際貿易港である東京港や川崎港などに発着する大量のコンテナは、現状では都道の環状7号・8号線を経由して地方への高速道路に向かっていた。中央環状線の完成で、一般道路を通らずにこうした高速道路と連絡できるようになる。

 首都圏中央連絡自動車道(圏央道)も全線開通まであと一歩だ。15年度末までに、約73kmが開通する。全線約300kmのうち、約9割がつながる予定だ。

 都心への車両流入を抑制する効果は、既に完成した区間を見ても明らかだ。例えば、14年度に開通した相模原愛川インターチェンジ(IC)―高尾山IC間の14.8km。開通から3カ月後、都心を経由する貨物車両の割合は開通前の7割から3割に減少した。圏央道周辺には多くの企業が集まり始め、地価上昇率は周辺に比べて高水準を保っている。