産学官の有識者からなる「次世代社会インフラ用ロボット現場検証委員会」は2015年1月8日、トンネルでの火災や崩落事故などに対応する調査ロボットの現場検証を公開した。同委員会は2014年に国土交通省が設置した産官学の有識者からなる組織で、社会インフラ向けロボットの現場での有効性などを評価することを目的としている。今回は、つくば市の国土交通省国土技術政策総合研究所(国総研)にある模擬トンネルに被災現場を模した環境を用意して、6つの企業や大学のロボットを評価した(図1)。

図1 現場検証を実施した国総研の模擬トンネル
図1 現場検証を実施した国総研の模擬トンネル

 愛知工業大学がエヌ・ティ―・シー(名古屋市)や中日本ハイウェイ・エンジニアリング名古屋、サンリツオートメイション(町田市)、エーアイシステムサービス(豊田市)と共同開発中の「Scott」は、無限軌道式のクローラー型ロボットである。カメラやガスセンサー、LED照明などを備える。トンネル災害での運用では、有線LANと無線LANを組み合わせた複数台による通信環境の構築を目指しているという(図2)。複数のScottで通信を中継することにより、トンネルの奥深くでも確実に遠隔操作ができるようにするのが狙いだ。この他、屋内GISシステムとの連動による自己位置推定機能などを盛り込むことも検討しているという。

図2 愛知工業大学などが開発中のクローラー型ロボット。有線と無線による複数台運用を想定している
図2 愛知工業大学などが開発中のクローラー型ロボット。有線と無線による複数台運用を想定している

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