横浜市道路局は6月19日、2013年3月に架け替えた「霞橋」が土木学会の田中賞を受賞したと発表した。13年度分の同賞選定で、作品部門の「改築」分野での受賞だ。
霞橋は、同市中区の新山下運河に架かる橋長30m強の小さな橋。元々は1896年(明治29年)に英国で製作され、隅田川に架かる鉄道橋「隅田川橋梁」として誕生したプラットトラス橋だ。当時は2径間のプラットトラスと19径間の鈑桁で構成され、プラットトラスの支間長は62.8m。明治中期としては最大級の橋だった。
その後、1929年(昭和4年)に新鶴見操車場をまたぐ道路橋「江ケ崎跨線橋」として移設。同操車場の廃止に伴って2009年度に撤去されたが、その際、早稲田大学創造理工学部の佐々木葉教授ら学識経験者が、横浜市に歴史的な土木構造物として保存を要請。これに応じる格好で、市は再生利用に関するプロジェクトを立ち上げた。支間長を短縮して部材を組み直すことで、霞橋架け替えへの利用を実現した。市によると、田中賞で史上最も短い橋になるという。
土木学会はこの6月13日に、霞橋を含む13年度分の同賞受賞対象を公表した。「改築」分野では霞橋のほか、東京都建設局と首都高速道路会社の「首都高速八重洲線汐留高架橋」が受賞。また「新築」分野では、仙台市交通局の「仙台地下鉄東西線広瀬川地区橋梁(広瀬川橋りょうおよび西公園高架橋)」、西日本高速道路会社九州支社の「寺迫ちょうちょ大橋」、各務原市の「各務原大橋」がそれぞれ受賞している。