東京都は2014年度から道路トンネルで、損傷が大きくなる前から計画的に補修を進める予防保全型管理を本格化する。13年度末までに都が管理する全121カ所の道路トンネルの健全度調査を終え、14年度に調査結果をもとに予防保全計画を作成。15年度から計画に基づく対策工事を始める。

 都は予防保全計画の作成に先立ち、1月15日に計画検討業務を日本工営に委託した。委託金額は1200万円(税抜き)。日本工営は3月25日までに全道路トンネルを対象に点検台帳をもとに必要な補修計画をまとめる。

 都が管理する道路トンネルでは、山岳トンネル(65カ所)の48%、開削トンネル(56カ所)の29%が建設後35年以上を経過している。12年末に発生した中央自動車道笹子トンネルの天井板崩落事故の直後には、全トンネルを対象に遠望目視で点検を行い、異常がないことを確認。ジェットファンや大型標識など重量構造物を設置しているトンネルについては、近接目視や打音、触診点検を実施して、不具合がないことを確認している。

 都はこれまでも道路巡回に合わせた3日に1度の日常点検や5年に1度の定期点検を実施。点検結果に基づいて、その都度、必要な対策を講じてきた。さらなる安全、安心の確保には詳細点検に基づく計画的な補修が必要だと判断し、12年度から予防保全型管理の導入に向けた取り組みを開始。全道路トンネルを対象に、高解像度カメラなど先端技術を用いて、壁面の損傷やコンクリート背面の空洞などを確認する健全度調査を進めてきた。

東京都が管理する道路トンネルの状況(資料:東京都)
東京都が管理する道路トンネルの状況(資料:東京都)