大規模修繕では、補修しても構造物の健全性を引き上げられない箇所に補強を施す。RC床版で損傷があれば桁を増設。鋼床版ではSFRC(鋼繊維補強コンクリート)舗装による補強、PC桁では外ケーブルによる補強、鋼桁では当て板補強をそれぞれ施す。

さらに、アルカリ骨材反応による損傷が進んでいる橋脚では、補強と表面保護のために鋼板を巻き立てる。

主な大規模修繕の概要(資料:阪神高速道路会社)
主な大規模修繕の概要(資料:阪神高速道路会社)

3割の区間が供用後40年以上

 阪神高速道路は、大阪・兵庫地区の延長249kmで3割の約83kmが供用後40年以上経過している。阪神高速道路会社は、2013年4月に学識経験者による「阪神高速道路の長期維持管理および更新に関する技術検討委員会」から提言を受け、構造物の損傷状況などを精査。その結果を踏まえて、更新計画をまとめた。

阪神高速道路の大阪・兵庫地区における老朽化の状況(資料:阪神高速道路会社)
阪神高速道路の大阪・兵庫地区における老朽化の状況(資料:阪神高速道路会社)

 大規模更新・修繕に必要な約3700億円の財源については、道路の有料期間を延ばして賄う。国土交通省が今国会に提出予定の道路整備特別措置法の改正案で、料金徴収期間を延長できるようにする見込みだ。阪神高速道路会社の更新計画も、それを織り込んでいる。