大規模更新では、橋梁上部や橋梁基礎の構造変更なども実施する。

かさ上げした重量が損傷要因に

 例えば、11号大豊(おおとよ)橋付近では、桁と床版を全面的に取り替える。ここは1970年の大阪万博に間に合わせるために、もともと大阪府道として整備した橋梁を後打ちコンクリートで最大約50cmかさ上げした。かさ上げ部分の重量を当初設計で考慮していないので、床版や桁にひび割れが生じている。路面の高さに合わせ、桁や床版のサイズを設計して架け替える。

11号池田線の大豊橋付近の損傷状況(資料:阪神高速道路会社)
11号池田線の大豊橋付近の損傷状況(資料:阪神高速道路会社)

 3号神戸線の湊川付近と13号東大阪線の法円坂付近でも、上部構造を架け替える。ここは敷地が狭隘で基礎を小さくせざるを得ず、上部構造を一般的な橋梁よりも薄くている。そのため、鋼床版が変形しやすく疲労亀裂が生じた。更新計画では疲労耐久性の高い桁や床版に架け替え、必要に応じて基礎や橋脚を補強する。

3号神戸線の湊川付近の損傷状況(資料:阪神高速道路会社)
3号神戸線の湊川付近の損傷状況(資料:阪神高速道路会社)