3環状は五輪までに整備率9割に引き上げ

 3環状のうち、首都高速道路の中央環状線は14年度に全通予定。東京都と首都高速道路会社が共同で事業を進める品川線の延長9.4kmが14年度末に開通し、約47kmの環状道路がつながる見込みだ。

首都高の中央環状品川線が湾岸線と接続する大井JCT。手前の高速道路が湾岸線で、運河沿いから伸びる道路が品川線。運河を越えて湾岸線に接続する道路は1号羽田線(写真:首都高速道路会社)
首都高の中央環状品川線が湾岸線と接続する大井JCT。手前の高速道路が湾岸線で、運河沿いから伸びる道路が品川線。運河を越えて湾岸線に接続する道路は1号羽田線(写真:首都高速道路会社)

 外環道は15年度に東側の三郷南JCT-高谷JCT間(15.6km)が開通の予定。大泉JCT-東名JCTがつながれば、残るは東名以南のみとなる。首都圏中央連絡自動車道(圏央道)も、15年度までに大部分の区間が開通する見込みだ。東京都が国際オリンピック委員会(IOC)に提出した立候補ファイルによると、五輪開催までに3環状の整備率を9割に引き上げるとしている。

 こうした幹線道路に加えて鉄道、空港といった交通分野を中心に、五輪開催の決定を受けて首都圏インフラの将来像に注目が集まっている。「7年後」にとどまらず、防災や景観といった分野も含めて、さらに先を見据えた議論が本格化し始めた。複雑に膨張した首都圏という舞台で、“都市力”を上げるには、ハードとソフトの両面で知恵を絞る必要があるだろう。