高速な「曲線送り出し」を採用
多くの線路・国道の上部で、安全かつ短工期で架設していく必要があるので、この現場には高速・高精度の珍しい施工技術を投入している。
送り出す本線2本の桁はカーブ区間なので曲線桁だ。一般的には真っすぐ送り出した後、桁先端を回転させて所定の平面位置に設置する。それには発進側に広い構台スペースと、到達側に回転軌条の荷重を引き受ける橋脚スペース、そしてそのための工期が必要だ。
この現場ではそれらのスペースが狭く工期短縮の必要もあるので、「曲線送り出し架設」を採用した。送り出す桁の曲線半径に合わせて、これと同心円配置となるように送り出し軌条を設置し、その上を桁を乗せた走行台車が移動して送り出す。送り出し時に必要な曲線内側と外側における台車の走行速度差を、インバーターで制御して高速の曲線送り出しを可能にしている。今回送り出した桁の平面曲線半径は470m。高い施工技術・精度管理が必要で、国内でもあまり事例のない特殊な工事だ。