速い! 送り出しはあっという間

 深夜、首都高の担当者から工事の説明を受けて、午前1時ころに現場に出た。子安台換気所前のJR軌道外にある構台の上に、事前に組み立てた箱桁とその先頭に取り付けた手延べ機が横たわっている。列車が運行していない夜中の約2時間という短時間で、手延べ機の先端がJR6線の向こうにある橋脚に達するまで約61m送り出し、安全に固定まで完了させるのが当夜の作業だ。

手延べ機が動き始めた。午前1時57分撮影(写真:勝田尚哉)
手延べ機が動き始めた。午前1時57分撮影(写真:勝田尚哉)
どんどん送り出される。午前2時3分撮影(写真:勝田尚哉)
どんどん送り出される。午前2時3分撮影(写真:勝田尚哉)

 午前1時54分ごろ、手延べ機の先端が動き始めた。それにしても、速い。目視で分かる速さだ。首都高によれば、移動速度は1分間で2.5m。同じ横浜環状北線工事で行われたYK13工区(1)上部工事のジャッキによる送り出し(1.0mを3分)の約7倍の速度だという(関連記事:骨太トラスを丸ごと送り出す)。

 YK13工区は1m進むとジャッキの段取り変えなどがあり、それも含めた1サイクルは約10分かかった。もっとも、今回の工事の送り出しとは別の方式で、両者を比べるのは無理がある。

 この現場は走行台車による送り出し方式を採用。ジャッキの段取り変えは不要なので、ノンストップだ。移動速度は1分間で2.5mだから、61mを24分程度で移動することになる。写真に写る手延べ機のブレが心配になり、感度・絞り設定を変えたほどだ。午前2時17分ごろ、橋脚に到達した手延べ機が停止した。

午前2時6分撮影(写真:勝田尚哉)
午前2時6分撮影(写真:勝田尚哉)

午前2時12分撮影(写真:勝田尚哉)
午前2時12分撮影(写真:勝田尚哉)
先端が到達。午前2時13分撮影(写真:勝田尚哉)
先端が到達。午前2時13分撮影(写真:勝田尚哉)

ほぼ到達。午前2時16分撮影(写真:勝田尚哉)
ほぼ到達。午前2時16分撮影(写真:勝田尚哉)

 あっという間の送り出しだった。この日送り出された桁の重量は本体と仮設物を合せて約900tだ。