三井住友建設とIHIインフラシステムは8月28日、ベトナムの首都ハノイ市で建設しているニャッタン橋(日越友好橋)の5本の主塔が完成したと発表した。日本発の建設技術である鋼管矢板基礎工法を採用したのが特徴だ。現場では、2014年末の完成を目指して鋼桁の架設が本格化している。
ハノイ市を流れるソンホン川(紅河)で建設が進むニャッタン橋の主橋部は、橋長1500mの6径間連続鋼桁斜張橋。これに橋長1580mのアプローチ橋を加えた「ニャッタン橋建設工事パッケージ1」として、ベトナム交通運輸省が発注した。日本の政府開発援助(ODA)案件だ。三井住友建設は主塔の建設とアプローチ橋の下部工事を、IHIインフラシステムは上部工事(桁の架設)を担う。
ニャッタン橋の建設事業は10年のハノイ市遷都1000年を記念して計画され、当初は09年10月から12年9月の工期を想定していた。ところが、土地収用が難航して工期を2年ほど延長。現在は、14年12月の完成を目指している。
ハノイ市の空の玄関口であるノイバイ国際空港(大成建設が拡張工事を実施中)と、市内中心部を結ぶ主要な道路は、現在は一本しかない。ニャッタン橋と、その北側で建設中の連絡道路が完成すれば、ルートは二つに増える。社会問題となっている市内の交通渋滞を、大幅に緩和できる見込みだ。