48個のセンサーで橋を監視

 東京ゲートブリッジは、コンテナ輸送の増加に伴う東京港周辺の混雑緩和を目的に国交省関東地方整備局が整備し、2012年2月に開通。東京都港湾局が管理している。

 長大橋で点検に手間が掛かることなどから、光ファイバー方式の変位計や加速度計など48個のセンサーで1秒当たり約2800のデータを測定し、健全度を監視している。光ファイバー方式は、センサー部分に電源を必要としない。落雷や劣化に強いといったメリットから採用した。

東京ゲートブリッジの桁下から港外側を望む。トラス部材には検査路を巡らせてあるが、点検して回るのはひと苦労だ(写真:日経コンストラクション)
東京ゲートブリッジの桁下から港外側を望む。トラス部材には検査路を巡らせてあるが、点検して回るのはひと苦労だ(写真:日経コンストラクション)
桁内は多数の部屋に分かれており、移動の際には幾つものマンホールをくぐらなければならず、体に負担がかかる(写真:日経コンストラクション)
桁内は多数の部屋に分かれており、移動の際には幾つものマンホールをくぐらなければならず、体に負担がかかる(写真:日経コンストラクション)

 有識者による技術検討委員会が計測内容を決め、東京工業大学発のベンチャー企業で構造物の解析やモニタリングを手掛けるTTES(東京都目黒区)がセンサーの配置を計画。NTTデータがシステム化を担った。導入費は約1億6000万円だ(1年間の運用費は800万円を想定)。

 検討委員会で委員長を務めた東京都市大学の三木千壽副学長は、多数のセンサーを取り付けた東京ゲートブリッジを「『神経』を持つ橋」と表現する。その実力を探ろうと駆け付けたのは、記者だけではない。茂木敏充経済産業相を始めとする政府関係者が相次いで視察に訪れているのだ。

東京ゲートブリッジの橋脚に設けた光ファイバー方式のセンサー。中央の人物の前にある金属製の箱が変位計だ。右に見えるのが支承(写真:日経コンストラクション)
東京ゲートブリッジの橋脚に設けた光ファイバー方式のセンサー。中央の人物の前にある金属製の箱が変位計だ。右に見えるのが支承(写真:日経コンストラクション)