うだるような暑さとなった7月18日の午後。記者は国土交通省と東京都の協力を得て、取材のために東京ゲートブリッジに立ち入った。
歩道脇の小さなマンホールから、はしごを伝って箱桁に入る。桁の中は蒸し風呂のようだ。ぶら下げたカメラをぶつけないように注意しながら補剛材をまたいで歩くだけで、1分とたたないうちに汗が噴き出した。出発前に「体調は万全ですか」と確認された意味が飲み込めた。
息苦しい桁内から抜け出ると一転、潮風が心地よい。30m下の海面が目に飛び込む。トラス下弦材の検査路を160m進み、ようやく主橋脚にたどり着いた。額を拭っていると、同行してくれた国交省東京港湾事務所の横田昭人総合評価係長が、支承の脇に置かれた金属の箱を指差した。「これがお目当てのセンサーだよ」。