通学路の対策では1件当たり12万円に

 データ抽出に利用したのは、休みを除く午前7時~9時と午後2時~4時の通学時間帯のデータだ。1日当たりのデータ量が少ないので、前述の急ブレーキ多発箇所とは異なり、1年間のデータから抽出を試みた。

 そして、速度データについて時速30km以上のスピードを3段階に分割。最もスピードが早い区分の運行記録があった通学路31カ所について、12年度に対策工事を済ませた。車の減速を促すドットラインやグリーンベルトなどを引いた。

■対策後
加須羽生線の岡古井付近では、速度の速い車が存在することが分かった。そこで、歩道のない通学路にグリーンベルトなどの対策を講じた(写真:埼玉県)
加須羽生線の岡古井付近では、速度の速い車が存在することが分かった。そこで、歩道のない通学路にグリーンベルトなどの対策を講じた(写真:埼玉県)

 改修に投じた費用は、1カ所当たり平均約12万円。この取り組みは13年度も続く。今年度は、急ブレーキが複数回にわたって発生し、時速30km以上の速度で走行する車が存在した場所約50カ所で対策を講じる計画だ。「12年度に対策を終えた箇所における安全性向上の度合いなども、一定のデータ数が収集できるようになれば検証していく」(野呂瀬副課長)。